「やつ」という言葉が気になる。


「昨日さ、美味しいカレー屋さんみつけたんだよね」
「ああ、でもすごく辛いやつでしょ!?」
「そうそう、でもおいしんだよー」

こうした「やつ」という言葉を聞く場面、皆さんも多々あるんじゃないでしょうか。
そんな私はよく「やつ」を使っていましたが最近は少しずつ控えるようにしています。
何故なら目上の人と話をするときに使うとあまりいい印象を与えないと思うから。

ではそもそも「やつ」ってどんな言葉なんだろう。
「やつ」は「奴」。この奴の字を調べてみると次のような意を持つことがわかりました。

〗 ド ヌ・やっこ・やつ
  1. 1.
    自由のない下層の使用人。しもべ。やっこ。

     「奴隷(どれい)・奴僕(どぼく)(ぬぼく)・奴婢(どひ)(ぬひ)・農奴」

  2. 2.
    人をいやしめて言う語。

     「守銭奴・売国奴」

やっこ
《名》
  1. 1.
    人に使われる身分の低い者。
    • 特に、江戸時代の武家の奴僕(ぬぼく)。撥鬢(ばちびん)・鎌髭(かまひげ)の姿で、槍(やり)などを持って主人の供をした。折助(おりすけ)。
    • 比喩的に、心身の自由を、ある物事によって奪われた身。

       「恋の―」

  2. 2.
    江戸時代の男伊達(だて)。町奴と旗本奴とがあった。
  3. 3.
    「奴豆腐」の略。また「奴凧(だこ)」の略。
《代》
  1. 1.
    自分をへりくだって言う語。
  2. 2.
    目下の者を親しんで言う語。また、同等以下の者を気軽に言う語。あいつ。

     「―さん」

やつ

1.《名》人または物を、乱暴な態度で言う語。 「ばかな―だ」
2.《代》あいつ。 「―のしわざだ」
゠め

《体言に付いて》
一段低いものとして見る気持を表す。また、自分(側)に用いて、謙譲の意を示す。 「こいつ―、何を言う」

総じてあまりいい意味には使われていないようですね。
そもそも「やつ」という言葉にポジティブな印象は持っていませんでしたが、
元をたどればなんだか納得しました。うん、すっきりってやつです。

それでは何かを指す場合に「やつ」を使わずに何を使えばいいのでしょうか。
私はその指定されている「名詞」をそのまま繰り返して使っています。

「昨日さ、美味しいカレー屋さんみつけたんだよね」
「ああ、でもすごく辛いカレーでしょ!?」
「そうそう、でもおいしんだよー」

「お砂糖ってこんなに入れていいのかな?太ったりしないかな」
「大丈夫、それは甘いわりに糖分がすくないお砂糖だから」
「へーそうなんだ!」

どうでしょうか、少しだけ言葉遣いを気を付けるだけで印象も違うように見えませんか?

お仕事をしていると色んな方とお話をしますがまだまだ「やつ」という言葉を使っている方に出会う事が多いです。その「やつ」を聞くたびに、自分は気を付けようと内心思う今日この頃。

なんていう私も、ついつい「やつ」って言っちゃったりしまいます、まだまだ。
おそらくずっと使っていた言葉だから体に染みついているんでしょうね。うーん。

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