アタリ文明論講義:未来は予測できるかの感想・レビュー!


内容(「BOOK」データベースより)
予言・予知・占い…古来、権力者は未来を知ることに取り憑かれてきた。それを迷信と嘲笑うことはできない。あらゆる個人、国家、文明の浮沈はつねに先を読む力に左右されてきたのだ。だが、ますます混迷を深める現代文明でいかにして予測は可能なのか。われわれは未曾有の事態にどう立ち向かえばよいのか―。『21世紀の歴史』『国家債務危機』など数々の著書で予測を的中させ「EUの予言者」と称される経済学者が自身の未来予測の手法を開示、文明の行方を読み解く特別講義。文庫オリジナル!

ジャックアタリの著書は書店でよく見かけたくらいで、同氏の本を手に取ったのは今回が初めて。「未来は予測できるか」というキーセンテンスがどうも気になって購入するに至った。

そもそも未来を予測するという類の話をすると皆顔をしかめてこういう。「何を言ってるの?出来るわけないじゃん」と。というか私もなんだけど
ただ冷静に考えると私たちの周りにはいろんな形で未来予測しているもので溢れている事に
気づく。

例えば天気予報。明日の天気は、週間天気は、あの台風はいつ日本にやってくるのか知りたいというニーズに応えている。
例えば星占い。牡羊座の今日の運勢は最高だから気分がいいと真顔で話す社会人だっている。
例えば夢占い。プールで泳ぐ夢をみた、これは達成の夢でありこの先いい事があると信じる人だっている。

未来予測はどう行うのか

じゃあいざ、自分の未来を予測しようとなると人は思考停止してしまう。
それはきっと、自分自身を見つめるのが怖いというのもあり、思考すること自体面倒だから。

ジャックアタリはそういう人ばかりになる事を危惧している。大切なのは自分たちの未来を
自分でよく考える事だと。そのうえで自分自身の予測をするにあたっての5つの前提が
あると説く。

1.変わらない物とは何だろう
2.自分の友人たちはどう行動するだろう
3.自分の敵はどんな態度を示すだろう
4.確実なことは何だろう
5.自分にはどんな計画があるだろう

 

本作は序盤から中盤にわたって、自分自身の未来は定められていると考えられていたはるか昔の時代から、そうじゃないという立場をとる今日にいたるまでの人類の歴史を俯瞰して未来予測のエッセンスを探る。

本作の後半部分では本題となる未来予測をするための取り組み方を記載する。
その取り組み方とは何か、一言で言うと自らに質問を課す習慣をつけるという事。
どのような質問を課すのか。
つまり

「懐古予測」

「生命維持予測」

「環境予測」

「愛着予測」

「投影予測」

と呼ばれる5段階の予測の論点に従って質問を課すという事。
※詳しくは本を手に取って見てください。

こうした論点に従って質問を行い、少しずつ少しずつ自分の未来の予測対象を伸ばしていく。
つまり自分の一日後、十日後、一か月後、半年後、一年後、三年後・・・という風に。
そうすることで未来予測は出来ると著者は言いきる。

巻末部分で著者は、私たちは勇気を奮って予測するべきで、予測のための時間を少しでも割くべきと説き、そうする事で予測の力を開発も可能と断言する。
未来予測という分野はまだまだ私たちの周りには一般化されていない。だけどもし、本当に
未来予測が正確に出来る時代がやってきたとき、私たちはこの本をどう受け止めるのだろう。

 

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