【連載】ネナベの田辺さん(5)


私は予想だにしなかった。
何をって?学校でBLについて友達に真顔で説明する日が来るなんてってことにだ。
佐奈ちゃんは好奇心旺盛。BLについて教えろと私にせがんできた。
私に拒否権はない、まさかのプレゼン大会開催。

佐奈ちゃんは真剣に私の話を聞く。聞かないでほしいんだけど。
所々何かメモも取るほどの勢い、すごくない?
私、講義でもここまで真剣にやらないよ。むしろ妄想してるし、カプがどうとか。

佐奈ちゃんに説明をしながらちらりと彼女のメモを見てみる。
リバって字が赤で書かれていた。呪いか何か?

スポンサードリンク

「うん、大体わかった」
「そ、そう・・」

つたない私の説明に佐奈ちゃんは一定の理解を示してくれた。
それにしてもBLについて私も私でこれほど体系だった理解を持っていたという点で
なんとなく自己嫌悪。わかるかなこのせつない気持ち。

「ホモではない、何かこう、きらきらした恋愛なんだね。男の子同士の」
佐奈ちゃんが大きな声で話す。

「あ、あの佐奈ちゃん、声大きい・・」
「あ、ごめん」
佐奈ちゃんは基本的に一目なんか気にしない。私と違って。
たぶん赤くなってるであろう顔を左右に動かしてみる、何人かの人がこっちをみていた。

死にたい。

「まあ、田辺の性癖はわかったよ。まあ人それぞれだしいいんじゃないかな」
「はぁ、ありがとうございます」
「でもさ、そのBLの域を大きく超えてる事については色々理解はできなかった」

超えている事、あまりここでは話したくないのでお察しください。

「そもそも田辺は恋愛経験あるんだっけ」
「え、ないです」

中学や高校の時にサッカー部の男子に告白されたことがあったけどお断りした。
※なぜサッカー部にモテたのかはよくわからない。
私自身、恋愛についてその時はあまりよくわからなかったし面倒だなって思って、
で、恋愛経験は無し。

「BLもいいけどさ、恋しなよ恋」
「うーん、あんまり興味ないんだよね」
「BLにはあるのに?」
「BLはまた別なの。佐奈ちゃんはどうなの」
「わっ」

せき込む佐奈ちゃん。

「私の事はいいんだよ、田辺が心配なの!」
「あ、うん。ありがとう・・。とりあえず、私とにゃごろうさんとの会話の内容については
ざっくり理解したって事かな?」
「うん、ざっくりね」

メモ帳を閉じた佐奈ちゃん。赤ペンのキャップを手にしながら私を見つめる。

「・・・・何?」
「あ!いや別に・・」

どうしたの佐奈ちゃん。どうして赤くなる。。

(続)

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です