【連載】ネナベの田辺さん(3)


「すごーい!そんな事って普通にあるんだね!」
「うん、正直びっくりしたもん・・」

大学内の学食で同じクラスの佐奈ちゃんに
先日の出来事をかいつまんで話した。
大嫌いなグリーンピースをつまんで小皿に移しながら佐奈ちゃんは続ける。

「でもさぁ、そもそもよく会いに行ったよね?」
「え?」
「いや、だって、もしその相手の女の人が男だったらどうするの?」
「うそのウソをついてたらって事?そんな事しないでしょ」
「いやいや、そもそもネナベしてる時点ですでにウソはついてるんだから信用できないでしょ」
「あ、はい」

それを言われると何も言い返せなくなる。ぐうの音も出ないというあれだ。ぐう。

「とにかく気を付けてよね。私はまだその人の事、信用してないからね」
「ああ、でもね、いろいろお話してたら人柄もわかったんだよ」
「どんな?」

佐奈ちゃん、どんどん尋問みたくなってきてるよ。こわい。

「えっと、い、いい人?」
「はあ・・・。あのね、初対面の人間なんて大体そういう感じなの。
わかる?いきなり本性なんて出すわけないんだから。普通に考えたらわかるじゃん」
「だってー・・」
「だってーじゃないよ。本当にわかってる?」

佐奈ちゃんのひきつってる顔を見て、あ、イライラしてるんだなってのはわかります。
右まぶたがピクピクするの。面白い。

「で、もう会わないんだよね、そのにゃごろうとかいうふざけた名前した人とは」
「あ、いや、会います・・」
「はあ!?」
「ごめんなさいごめんなさい怒らないで!」
「・・・私も行く」
「え?」

さっきから佐奈ちゃんは変な形をしたグリーンピースをつまめないでいたけど
ようやくつまんだ時、顔を上げてそう言った。

「だから、私も行く」
「ど、どこに?ピューロランド?わたしキキララグッズがほしいなぁ。今度二人で行こうね?」
「バカ。にゃごろうさんと遊ぶ日、私も同行するから」
「えぇ・・」
「ネナベして俺は腐男子だとかいう変な人、危険だから」

それ、私もです。。

でもまぁいいか。実際ににゃごろうさんに会ってもらえばいいんだ。
そしたら変な人じゃないってわかってくれるはず。
あ、いや、変な人なんだけどなんて言えばいいんだろう。
私に変なことをしない人だって意味で。

・・・いや、そんな保証もないな。

(続)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です