他人とは少し違った「私」の物語。小説すばるの短編、「怒る泣く笑う女子(作:小嶋陽太郎)」を読みました。


気になる人ができたかも。
新学期、クラス替えした教室で、私は原田幹雄に出会う。

「こちら文学少女になります」を読んで以来小嶋陽太郎さんの作品がよく目に映るようになった。こういう現象が私に起きているという事は、好きな作家さんが出来たという事。
好きな作家さんが出来る時の感動たるや、幸せ。

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小説すばるの2016年11月号の272ページに掲載されている本作。挿絵は佐藤おどりさん。
(引用:小説すばる 2016年11月号 P273)

小嶋さんの作品はシンプルで読み易く、わかり易く、それでいて洗練されている。
そもそも絵を描くのも文章を書くのも、一見違ったジャンルだけど自分の中にある「もの」を吐き出すという行為(本質)は変わらないと私は考えている。
なのでそれにマッチさせるためにきっと挿絵も同様の性質をもったデザイナーさんが担当しているんだろうな、と一人で勝手に納得。

当たり前が当たり前じゃない世界に自分をおいて考えたことがあまりない。私自身は深く物事を考えずに生きてきた能天気な人間。だからこそ、本作を読んでそんな世界に身を置いた場合の景色の見え方が少しわかった。
話は飛ぶけれど、私の上司は仕事の際に「問題は出来る事と出来ない事がある、自分で出来ない事については悩むな」とよくいう。それはすごく合理的で素敵な考え方。だけどそんな事を言われても自分で解決できない問題に悩んだりする事って実際よくある。ましてや多感な高校時代は。

本作はそんな自分で解決できない問題を持った「私」の物語。

高校二年生の主人公は原田幹雄というクラスメイトを気になり始めてから自然と彼の事が
目に留まりいつしか目で追いかけるようになった。こうなると人間はなかなか止まらない。
もっと彼を知りたい、それは自然な反応。でも、主人公は。

自分とは正反対でとても明るく愛されるような原田に心を惹かれていく主人公、原田を通して
主人公は自分自身を見つめ、そして苦しむ。私って、何なんだと。

とある一人の高校生が「恋」を通して自分を痛めつけて嫌って・・・。
でも少しずつ素直に自分と向き合う、そんな淡い短編。

小説すばる公式サイト

2 件のコメント

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  • 和氣さん

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    ありがとうございます!書評ネタがたまればぜひ参加させて頂きますので
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    ※返事が遅れて大変申し訳ありませんでした。
     別途メールでも御礼をさせていただきます。

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