<終>【体験談】お友達にマルチ商法をすすめられちゃった時のお話し 第10話


※【体験談】お友達にマルチ商法をすすめられちゃった時のお話し
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番外編を追記中。

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そしてふたたび

○月×日に私は買い物に行くという体で中野さんと会った。場所は横浜。

「今日はどうしよっか」
「うん、そうだね」

今日の中野さんは少し元気がない。ここのところ例のビジネスの事は一切話題には出さず
遊んでいたけど私は色々と心配だ、そろそろ聞いてみてもいい頃合いなのだろうか。

「中野さん、体調良くないの?顔色もよくないし」
「ううん、ごめんね。あまり寝てないの」
「寝てないって、お仕事忙しいの?」
「うん、色々ね」

見ていて明らかに体調が良くないであろう中野さんを連れて私は近場の喫茶店に入った。
席に着くなり机に突っ伏す中野さん、だ、大丈夫・・?

「中野さん、ホットコーヒーでいい?」
「・・うん、ありがとう・・」

ホットコーヒーが席に運ばれてからもしばらく中野さんは机に突っ伏したままだった。
明らかに辛そう。

「・・・藤松さん」
「どうしたの?」
「ごめんね、私、ごめんなさい」
「え、え?」
「今日実は、会わせたい人が居るってまた藤松さんに切り出す予定だったの」

ああ、もう慣れたけど。

「そ、そうなんだ。でももう会わないよ?」
「うん、それでいい。むしろ私、今日この話はしないってさっき決めたから」
「それは、どうして?」

中野さんが顔を上げる。色白なだけあってさっきまで腕に当てていたおでこのあたりが
赤くなってるのがよく目立つ。

「藤松さんに、迷惑かけるかなって思って」
「・・・中野さん」

ああ、よかった。なんだかこの言葉が聞けただけで私は嬉しい。やっぱり中野さんは友達だ。
だからこそやっぱりあのビジネスとは縁を切らせなきゃ。

「でもね、私、あのビジネスをやめる気はないよ」
「えっ」
「私ね、もう少しだけ続けてみようと思ったの」
「でも、実際どうなの?例のノルマはちゃんとこなせてるの?」
「・・・・」
「自爆買いとかしてないよね?」
「・・・・」
「中野さん・・・」

私がホットコーヒーにようやく口を付けたときにはもう人肌位の温度になっていた。
どうして、中野さんはやめられないのか。抜ける事が出来ないのか。

「私ね」

中野さんがカップを手に話す。

「ここ数か月で友達失くしたような気がするの」
「・・うん」
「メッセージを送っても電話を送っても反応が無くなった子がたくさんいて」
「うん・・」
「やっぱりこのビジネスの所為なのかな」
「一概には言えないけど、それが要因になってる可能性は大いにあると思う」
「そっか・・」
「そもそも中野さんはどうしてやめられないの?そのビジネス」
「・・・」
「・・・」
「トップクラスにいる人たちが実際に儲けているのを見ているから」
「中野さん、前にも言ったよね。末端になればなるほど儲からないと思わない?この仕組み」
「・・・」
「儲かるのはあくまでも一部なんじゃない?」
「そうかもしれないけど、もう少し頑張りたい」
「中野さんが頑張るって事はその「末端」を増やすって事でしょ?不幸になる人を産み出すって事だよね?」
「それは・・・」
「中野さん、お願い、もうやめよう?」
「・・・」

中野さんはやめなかった。彼女も彼女で末端が儲かることが無い事に気付いていたはずだ。
じゃあどうしてやめなかったのか、結局私はここのところを知る事が出来なかった。

その後、中野さんとは会えていない。大学の友達に聞いてみても彼女と会っている子が少なくなっていたので情報もあまり入ってこなくなっていたのだ。
やがて情報源だった中野さんのフェイスブックのアカウントは突然消えた。電話をしてもメッセージを送ってみても音沙汰無。

中野さん、今頃どうしているのかな。

藤松です。気が付けば10回にわたって体験談を書かせていただきました。
こちらの体験談、おおむね事実を書いたつもりです。

マルチ商法は他にもネットワークビジネスという呼ばれ方をされていますが本質は同じです。
また最近では毎日わずか1分の作業で億万長者等!というようなうたい文句で販売されている
情報商材も出てきていますが、なにやら同じようなにおいがしてなりません。
(全部がそうだとはもちろんいいきりませんよ?)
また時間があったら最新のマルチ商法情勢(?)もレポートしてみたいと思います。

要するに、マルチ商法は色々と名称を変えて私たちのもとにやってくる。そしてそれらは大抵甘い誘いで私たちに近づいてくる。そこに条件反射で乗っちゃダメという事です。
わかっていてもついつい乗っちゃうから怖いのです、きっと。大人だって普通に引っかかっちゃっていますし、決して他人事だとは思わない方がいいと思うのです。

そもそも「成功者」と呼ばれる人たちはわざわざ他人にお金儲けの話をする時点でなにかおかしいと考えるべきです。成功者は誰かにお金儲けの話をする際に何らかの手数料等をゲットできている例が多いと思います。「もう働かなくてもいい程稼いだ」と言っている「成功者」達はまだお金が欲しいのか。いやむしろ、実のところお金は足りないから手数料(お金)が欲しいのか。あれ?それは本当に成功者・・?

 

追伸:
こんな形で音信不通となった中野さんにまた会う事があったらこちらでレポートいたしますのでしばらく気長にまっていてください。

(終)

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