【対話体】まっかな上田君 ふたつめ


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ひとつめ


「上田君だ、おはよー」
「あ、おはよう」
「いつもより早くない?」
「・・なんか、いつもより早く目が覚めてさ」
「奇遇だね、私も」
「そうなんだ」
「何で早く目が覚めたと思う?」
「・・・何で?」
「上田君の夢を見たんだよ、今日」
「え」
「なんかね、稲村ケ崎公園で上田君と夕陽を眺めてたんだよ。変な夢でしょ」
「そ、そうかな・・変だとは思わないけど」
「でも小学校の時以来二人でどこかに出かけるってしてないじゃい?」
「まあ、そうだね・・・」
「出かけよっか」
「・・・え?」
「久しぶりにさ、二人で出かけない?どこかに」
「え?」
「何なのさっきから、上田君ってやっぱり面白いよね」
「・・・」
「で、どうなの?私と一緒にどこかに行くって迷惑かな?」
「いや、そういう事は無い、よ・・」
「じゃあどこに行くか考えておいてね」
「あ、うん」


「って事になった」
「上田、お前、すごいじゃん!もしかしてこの前の俺のアドバイスが効いたんじゃない?」
「あ、いや、それはない」
「お前って失礼だよな」
「あぁ、違う。結局言えなかった。その、一緒にいるとなんとかっての」
「一緒にいると楽しい、だろ?」
「・・・・」
「顔赤くなってんぞ」

「で、どうするよ。園田さんが喜びそうなところは分かんの?」
「大体、なら・・」
「大体って、お前。ちなみにどこ?」
「江ノ島、とか・・」
「いやいやいや、すぐそこじゃん。いつでも行けるところに行ってどうすんの」
「じゃあ・・・」
「じゃあ?」
「ディズニーとか・・」
「おお」
「えっ?おかしい?」
「いや、いいと思う。行って来いよディズニー」
「うん、そうする。じゃあ」
「おう」

「・・・ディズニーって、ある意味勝負だぞ、上田」


「えっ」
「いや、だから、ディズニーいかない?」
「上田君、それ誰かの入れ知恵?」
「え、なんで?」
「えっ!いや、その・・」
「園田さん、キーホルダーつけてるじゃん。ディズニーのキャラの。それを見て言っただけ」
「ふーん」
「で、ダメ?」
「いいよ。大賛成!私楽しみにしてるからね!」
「あ、うん」


「おはようー」
「おはよう」
「朝はやっぱり寒いね、厚着してきてよかった」
「うん」
「あ、上田君、はい、これ」
「ありがとう。パスポートの手配をお願いしちゃって。はい、お金」
「ありがと。気にしないでよそれくらい。じゃあ行こっか」
「うん」

「朝だから空いてるね」
「う、うん」
「この車両、私達しかいないね」
「う、うん・・・・」
「お母さんがね、折角なんだしグリーン車でも乗っていけばって言ってたの。
でも早朝だったら人も少ないから普通車で十分だよって話だよね」
「うん」
「あ、でも帰り、グリーン車使ってみる?東京駅から」
「うん」
「上田君」
「うん、あ、はい」
「さっきからうんしか言ってないじゃない」
「いや、その・・」
「どうしたの?」
「・・・・」
「あ、あのさ、変に畏まらないでよ。恥ずかしくなるじゃん・・」
「・・・・」
「(上田君、顔真っ赤・・)」

 

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