【体験談】お友達にマルチ商法をすすめられちゃった時のお話し 番外編(4) アレすればハッピーになれる。


※【体験談】お友達にマルチ商法をすすめられちゃった時のお話し
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番外編(2)
番外編(3)

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中野ディフェンス

僅かな間隙を縫って、この異常な空間から脱出できると思っていた。
タイミングは完ぺきだった。

ひとりになれたこの瞬間を逸してはならない、そう思った私がみつけたわずかな隙間。

傍から見て早足で歩いているように見られないように慎重に歩いた。
平静を装ってナチュラルにお店を出ようとした。

だけどふだんほんわか系よろしくなキャラの中野さんは私を見逃さなかった。

「藤松さーん、ここだよ?♡」

何度でも言いますが、彼女に悪意はありません。
だからこそタチが悪い。

そもそもこの時、私は無視してお店を出ても良かった。
だけど出来ない、そんなかっこいい事は私は出来ない。

中野さんの呼びかけに私は応じた。
ゆっくり、ゆっくり、中野さんの方向に振り向いた。
ゆがんだつくり笑顔で。

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マルチな人たちに囲まれて

 


「で、すごいの!いつか海外に別荘を持てるって!」
「マジェ?(マジの意)やばくない!?(すごいという意味)
「やばいやばい(はい、本当にすごいですよの意味)!で、どうなの藤松さん!」
「えっ」

中野さんの座っていたテーブルには彼女のほか
日焼けしすぎじゃないのかという男性(金髪さん、茶髪さん)が二人ほど同席していた。

この席に座るや否や、夢物語(?)を始める男性陣。
要は、ビッグでアツいビジネス(なお内容は明かされなかった)に君も加われば
マジェでやばい未来がチェキラしているよというもの。

ジョッキを片手にやっぱり日焼けしすぎだと思う金髪さんは私に続ける。

「いやだから!藤松さんも、乗らない!?(右手人差し指と小指をたてて、中指薬指は折り畳みポーズで)」
「いやぁ・・あはは・・、乗るって、調子くらいしか乗った事ないです・・」
「・・・」

滑った。(滑ったことはよく記憶に残る)

茶髪さんはお優しい方で私をフォローするように沈黙を破ってくれた。
「まあ、ホラ、藤松さんもハッピーになれるって絶対!ねえ中野さん!」
「はい!藤松さん!覚悟を決めて!」

覚悟を決めろと言われると今から不幸な展開を受け止めろって言われてるみたいなんですけど。

それではそのビジネスの内容について教えてほしいと聞いてみると
それは契約をしてからという一点張り。(いやいやいや)

そもそも相手に何かを勧める時、情報を提供もせずに
どうして相手の承諾を引き出せるのでしょうか。
※中野さんはイエスって言っちゃったのだろうけど

金髪さんはまた私に続ける。

「藤松さん、乗ろうよ。ね?(右手人差し指と小指をたてて、中指薬指は折り畳みポーズで)」

※引用:Wikipediaさん。

どうでもいいけどその右手のポーズは何なの?広隆寺の半跏思惟像なの?

何度でも言います、何度でも。相手からイエスを引き出すときはまず
情報を提供してほしいのです。押せばなんとかなる人間なんて
滅多にいないんですよ!!!!
※中野さんは除く

その後は金髪さんが熱心に私によくわからないハッピーでウェイウェイなビジネスを
すすめるばかり。根拠や情報などの説明は一切せずに。

私はただつくり笑顔で誤魔化す誤魔化す。

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時はきた。それだけです。

やがて(謎の)会合はお開きですというアナウンスが流れました。
すると茶髪さんと金髪さんはあたかも獲物をしとめそこねたと
言わんばかりの顔になってあっさりとどこかに消えていきました。
さよなら、強く生きてね。

さて・・。

ここのテーブルに残ったのはハンターに手なずけられて逆にハンターになった
中野さんと私だけ。

中野さんはカルアミルクを可愛く両手で飲んで私に言った。

「藤松さん!今日は楽しかったね!」

うん。最高に不愉快で楽しかった!